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神様の名前唱え不安な心整えて【金光新聞】

懸命に祈る息子の姿

 「9月も終わりか。もうすぐおかげ日だなあ」
 緑豊かな地にある金光教の教会で、教会長の義父と義母、夫と4人の子どもたちと暮らしている私(45)は、カレンダーを見ながら、5年前の10月1日のことを思い出していました。
 5年前のその日、当時小学2年生だった長男の悟が、友達と遊びに出掛けた先で、毒蛇のマムシに右手の親指をかまれました。慌てて帰宅してきた悟でしたが、顔色がみるみる青ざめていきました。
 私は驚きと心配で、すぐにお広前に行って、お結界で教会長に事の次第をお届けしました。「ご祈念させて頂く」という教会長の言葉を胸に、お神酒(みき)を悟の指に付けて、血清がある隣町の病院へと車を走らせました。
 道中、悟は「痛い痛い」と繰り返し、目をつぶっていました。私は「生神金光大神様、天地金乃神様…」とお願いしながら、「痛いね。お母さんも神様にお願いするから、悟もしっかりお願いさせてもらおうね」と伝えると、悟もまねをするように神様のお名前を唱え始めました。心配の中にも、私は初めて悟が懸命に祈る姿を目の当たりにし、ありがたい思いがしました。
 病院で診察を受けると、点滴で血清を投与するため、入院となりました。その日の夜は、静かな病室で、悟の寝息だけが聞こえていました。私は心の中で「生神金光大神様、天地金乃神様…」と繰り返していました。それは、教会で「いつでも『生神金光大神様』と唱えてお取次を頂き、全ての事柄に天地金乃神様のお徳と、ご都合のお繰り合わせを頂くことが大切」と教えられていたからでした。

神様から応援頂いて

 翌朝、毒の影響で、悟の腕は肩まで腫れ上がりましたが、意識は安定していました。2週間ほど入院することとなり、私は、前日の夜に出張から帰ってきた夫と付き添いを交代し、次男の幼稚園最後の運動会へ向かいました。夫の出張が1日でもずれていたら参加できなかったことを思うと、神様のお繰り合わせを感じました。
 さらにその1週間後、私には、弟の結婚式の予定がありました。苦労してきた弟だけに、どうしても出席したいと願っていました。家族はそんな私の気持ちを酌んで、快く送り出してくれました。披露宴の私の席には「悟が早く元気になりますように」と、弟からのメッセージカードが置いてあり、弟はもちろん、神様が私たち家族を応援してくださっているように感じ、心から安心できました。
 入院して9日目、悟は8歳の誕生日を迎えました。命があって、日々元気に過ごせていることが、決して当たり前ではないと、家族で胸に刻んだ誕生日でした。そして2週間の入院生活を終え、悟は元気に退院しました。

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タグ: 文字, 金光新聞, 信心真話,