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重たい荷物は神様に取次いで【金光新聞】

ご先祖さまの怒り?

 私(38)が奉仕する教会の前を掃除していると、近所に住む道子さん(60代)が声を掛けてきました。
 「実は私、 今度、 腰の手術をするんです。毎週お墓参りに行って掃除をしているのですが、それがきっかけで痛くなったんです。これって、ご先祖さまが何か怒っているんでしょうか?」
 それまであいさつを交わす程度で、話をするのは初めてだった道子さんのお尋ねに、私は「そんなことないですよ。きっと喜んでおられますよ」と答えましたが、道子さんの表情は曇ったままでした。
 そこで、気になった私は道子さんに手紙を出しました。
 「お話ができてうれしかったです。でも、何か重たい荷物を一人で背負っていませんか? 聴かせて頂きます」
 すると、すぐに「実は、2年間背負っている問題があるんです」という返事が届き、道子さんは初めて教会に参ってきました。
 道子さんは2年前に両親を亡くし、その時、ささいなことから弟さんと言い争いになり、疎遠になってしまったとのことでした。「仲直りするつもりはなかったのですが、最近、両親から弟のことを頼まれていたことを思い出し、私も手術をしなければならなくなって、今後のことを考えると気持ちが変わってきました。でも、どうしたらいいのか分からないんです」と、胸の内を吐露されました。

神様にお願いすると

 私は神様にお願いしながら話をお聴きした後、「よく一人で辛抱されましたね。勇気を出して弟さんと連絡を取ってみたらどうですか」と伝えました。すると、「携帯でメールをしても返事がなく、電話にも出てくれない」と言います。それならと手紙を勧めてみると、「それは思ってもみなかった。書いてみます」と言い、道子さんの表情が少し明るくなりました。
 「道子さんの心が弟さんに届き、仲直りができるよう、神様にお願いさせてもらいましょう」と伝えると、道子さんは「私のお願いを神様に取次いでくださるんですね。こんなこと誰にも相談できなくてつらかった」と涙を流し、一緒に神様にこれからのことをお願いさせて頂きました。
 その翌日、道子さんが教会に駆け込んできました。
 「昨日、手紙を書いていると、弟と私の共通の友人から2年ぶりに電話があったんです。その友人に、弟と仲直りしたいと伝えたら、すぐに間を取り持ってくれ、弟も同じことを思っていたそうなんです。これは神様がなさったとしか思えません。ありがとうございます」

腰痛は仲直りのため

 道子さんが背負い続けていた重たい荷物は、あっという間に道がつきました。私はあまりの展開の早さに驚くとともに、とてもありがたくなり、一緒に神様にお礼のご祈念をさせて頂きました。
 道子さんはその後も教会にお参りするようになり、「以前は『お墓参りに行っているのになぜ腰が痛くなるの』と思っていましたが、今では弟と仲直りをさせてくださるための腰痛だったんだと思え、感謝しています」と、うれしそうに話します。
 金光教の教祖様は「神は、人間を救い助けてやろうと思っておられ、このほかには何もないのであるから、人の身の上にけっして無駄事はなされない」と教えてくださっています。私は道子さんを通して、私たちが出合う問題には必ず意味があり、神様からの「助かってほしい」というメッセージが込められていることを教えて頂きました。
 あなたは重たい荷物、一人で背負っていませんか?

※このお話は実話をもとに執筆されたものですが、登場人物は仮名を原則としています。

「心に届く信心真話」2021年6月27日号掲載

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タグ: 文字, 金光新聞, 信心真話,