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「神人あいよかけよの生活運動」の展開を願って

金光教報 『天地』6月号 巻頭言

 「神人あいよかけよの生活運動」も四年目となり、ここからいっそうの展開が願われるなか、各地で「運動」推進のための研修会が開かれている。
 「運動」の「願い」は、この道の信心の筋道を端的に表現したものであるが、「運動」への理解が進み実践の取り組みがはじまるなかで、新たなことをしているというよりも、むしろこれまでの信心生活を拡充し展開していくものであるといったことがわからされ、それならば手元の信心をもう一度見つめ直していこうという営みに繋がっているように思われる。
 御取次を願い、頂くことも、神様のおかげを実感していくことも、お礼と喜びの生活を進めることも、さらには人を祈ること、助けること、お導きすることも、これまでも取り組まれたことではある。
 けれども、教会参拝をはじめ日々の信心生活を続けていくなかに、知らず知らずのうちに、神様のおかげのなかに生活しているありがたさに慣れ、あたりまえのことになって、お礼と喜びの生活になっていないことがある。また、今もおかげの中にいることに気づかずに、つい愚痴や不足が出る。さらには、問題を抱えきれず困難に負けて、嘆き悲しんでしまう、というような生活になっている実際もある。
 そうした生活から、一歩でも信心を進め、お礼と喜びの生活を願って、自ら取り組んでいこうとして、信行項目を書き記して日々信心の稽古に励んでいるという報告も聞かれる。「朝、目が覚めたときにお礼を言う」「排便、排尿の時にお礼を言う」「腹を立てない」「人の悪口を言わない」「人を責めない」等々、自らの生活を信心の眼をもって見つめ直し、日々の生活に神様のみ心を思い、お働きに感謝するという、今までより神様を身近に感じようとする、まさに神と人との関係を再構築していこうという営みが始まっているともいえよう。
 また、発足当初から多くの教会で取り組まれていた朝夕のご祈念時や月例祭祭典時の「運動」の「願い」の唱和も、それを毎日奉唱させていただくことで、おのずと「運動」を意識した生活になってきたとの話もある。さらには、現在は「願い」の三行目「お礼と喜びの生活をすすめ」に焦点をあてて取り組んでいるが、その基盤である御取次を願い頂くことの大切さをわからされ、そうした生活を進めるなかに、自身の助かりのみならず人の助かりを願わずにおれなくなったといった声も聞かれる。
 「運動」に取り組むことは、もちろん自身の信心の成長を願ってのことであろうが、こうしたことを積み重ねていくなかに、信心の継承やお手びきに結びつけていきたいとの思いも聞かれる。お礼と喜びの生活をすすめることで、自身が変わらされ、そのことに触れた子どもや孫、兄弟、さらには周囲の人たちに信心が伝わっていく、そうしたありようを願って取り組まれているとのことである。
 一方で、「運動」の「願い」が理解され、具体的な取り組みをとおして、あらためて結界取次の充実が欠かせないことも明らかになってきた。この道の生命であり、基本である結界取次の充実なくしては、神様と自分との間柄の結びつきを感じ得ない現代のような時代に、その縦軸を際やかにさせ、さらには深めていくことは容易ではない。まさに結界取次の充実と「運動」はこの道が進展していくための車の両輪であるともいえ、取次の働きが生き生きとしてくれば「運動」の展開に繋がっていくともいえよう。
 難儀な氏子を「取次ぎ助けてやってくれ」という神様のお頼みを受けられ、専心神様のご用に奉仕された教祖様と、そのみ心を受け継ぎ現し続けられてきた歴代金光様、そしてそのご信心を求め続け現し続けられた直信先覚先師たちのありように神習い、一人ひとりが「神様がお喜びくださる」信心への展開を願って、神様のみ心を求め、一人ひとりの助かり立ち行きをひたすら祈り続け、助かりを願って語る。この道は、こうした地道な日常の取次の働きによって支えられてきたのである。その取次を真剣に願い頂くことによって、すでにおかげを頂いている事実に目覚めさせられる。そうして気づかされたお礼の心を、信心の稽古によって深めていくことで、新たなおかげの事実が生まれる。
 「運動」は、そうした信心生活を拡充していくものであり、ここからあらためて「神信心しておかげを受けて、難儀な人を助ける身にならせてもらうがよい。神心となって、受けたおかげを人に話して真の道を伝えるのが、神へのお礼である。それが神のお喜びとなる。信心するといっても、これまではみな神様を使うばかりで、神様に使われることを知らない。天地金乃神様は人を使わしめになさる。神様に使われることを楽しみに信心せよ」との教祖様のみ教えにある如く、神様にお喜びいただけるよう「和賀心」を磨き、今月今日で一心に願って、神様のご用にお使いいただける自分へと成長していくことが願われる。
 来る6月14日には、教団独立記念祭に併せて「神人あいよかけよの生活運動」全教集会が開催される。集会では、実践発表をとおしてあらたな気づきを得させていただき、ここからいっそうに一人ひとりの生活に「神人の道」が現されていくおかげをこうむってまいりたい。

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