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〝看板〟 の大役み教えが後押し【金光新聞】

心配は神様に預けて

 30年前に夫を亡くした久恵さん(75)は、一人暮らしをしています。20代で金光教の信奉者の家庭に嫁ぎ、義母から信心を伝えてもらいました。本人としては、義母に喜んでもらいたい思いで教会に参拝するようになりました。
 久恵さんは、10年ほど前から毎日欠かさず、朝5時のご祈念にお参りしています。その際、朝一番に手水場(ちょうずば)の蛇口から出る水を水筒にくみ、教会の先生に頼み、ご神前へ供えてもらっています。その水をご祈念後に下げてもらい、「ご神水(しんすい)」
 として料理や薬を飲む時に頂きます。そうすることで、神様に心身を洗ってもらえるような、ありがたい思いになるそうです。
 さらに毎朝、お結界で前日の出来事を振り返ってお礼をし、今日一日の予定をお届けしてお願いします。高齢の一人暮らしは何かと心配事や不安が先立ちますが、久恵さんは心配や不安があれば、お結界で丁寧にお願いし、神様にその気持ちを預かって頂きます。そうすると、一つ一つにお繰り合わせを頂き、安心して過ごせるのです。久恵さんは、おかげを頂くたびに、一日の始まりにお取次を頂くありがたさを実感しています。

あなたは金光教の顔

 3年前、久恵さんの長男が自宅を新築しました。久恵さんも親としてできるだけの援助をしつつ、工事の段取りに応じて一つ一つを教会でお届けし、工事の無事をお願いしました。建築前の地鎮祭を教会の先生にしてもらったこともあり、それからは長男家族も毎年、正月には教会へ参拝するようになりました。
 久恵さんがお参りする教会では、正月に皆で「み教えくじ」を引きます。昨年、孫の静香さん(15)が引いたみ教えは、「信者はお道の生看板である。生きた看板が歩いていると思うて、一言一行に気を付け、神様を現すおかげを受けよ」でした。教会の先生は、「静香さんが学校から一歩出て何か善いこと悪いことをすれば、あそこの中学の子がしたと言われます。静香さんは生きた看板なんですよ。今日の参拝も、見ている人からすれば、あなたは金光教の顔になります。そう思いながら生活したら、金光様が看板になれるようにしてくださいます」と説明してくれました。

神様のお守りの中で

 するとその年、静香さんが通う中学校で初めての試みとして、文化祭と体育祭を合わせて開催することになり、実行委員長に静香さんが選ばれました。そのことを聞いた久恵さんは、正月に頂いたみ教えくじの内容を思い出しました。久恵さんからすると、静香さんは物静かでおとなしく、とても学校を代表するような役に自ら立候補するとは思えなかったからでした。
 静香さんは実行委員長として、全校生徒へ向けて「皆で楽しみながらやろう」と、生き生きとした表情で呼び掛けたそうです。そのことを聞いた久恵さんは、神様が静香さんを後押しして、中学校の看板となれるような役割に引き立ててくださったに違いないと感動し、ありがたく思いました。
 ちなみに、久恵さんが正月に引いたみ教えは「元気な心で毎日参拝を続け、よく教話を聞き、腹のすわった信心をせよ。自分にかけられた神様のみ心が分かれば、どんなおかげも受けられる」でした。久恵さんは、「本当に神様はよく見ておられる」と感服しました。神様が見守ってくださっている中で毎朝お参りができ、お結界でお礼とお願いのお届けをして、天地のお恵みを心身に感じながら、一日一日を楽しく過ごせる生活を、ありがたく思っています。

※このお話は実話をもとに執筆されたものですが、登場人物は仮名を原則としています。

「心に届く信心真話」2022年4月27日号掲載

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タグ: 文字, 金光新聞, 信心真話,