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教主金光様のご退任にあたって

金光教報 3月号 巻頭言

 金光平輝様は、平成3年に教主にご就任くださって以来、6期30年の長きにわたり、「教祖生神金光大神取次の業(ぎょう)を伝承し、教統を保全する」という教規の定めのままに、教祖様に始まる御取次の業に専心ご奉仕くださり、その深く厚きみ祈りによって、私ども信奉者一人ひとりのことをお守りくださり、お導きくださっています。
 思い返せば、そのご就任は四代金光様のご帰幽という突然の御事に始まり、すぐに教主代務者としてお立ちくださり、尊きご覚悟をもって教主の御用をお受けくださいました。そのご就任に際し、教主金光様は、次のようにおっしゃっておられます。
 「全教の皆様とともに、『世話になるすべてに礼をいうこころ』を土台に、日に日に新たに信心生活を進め、教団の営みに、教会の働きに、信奉者の生活に、『氏子あっての神、神あっての氏子、あいよかけよで立ち行く』生神金光大神取次の道の真まことを、いっそう現させていただくことができますよう、大みかげをいただき、教団を挙げて世界の平和と人類の助かりに役立たせていただきたいと存じます」
 このお言葉に、30年を経てもなお、変わらぬ尊いもの、一筋に貫かれているものを感じずにはいられません。
 とりわけ、平成21年の立教150年のお年柄には、「あらためて、ご立教にかけられた親神様のおぼしめしと、これを謹んで受けられた教祖様のご信心に思いをいたし、いよいよ神と人とあいよかけよで立ち行く『神人の道』が一人ひとりの生活に現されてまいりますよう、共々に心を込めてお役に立たせていただきたいと願っております」とのお言葉をお示しくださり、これを受けて平成24年からは、「神人あいよかけよの生活運動」が発足し、全教挙げて「神人の道」を求め現す、信心の稽古を進めているところであります。
 ご在任中には、そのみ祈りの中で、教団の骨格となる制度改正をはじめ、長年の懸案であった本部境内地取得・整備、学院寮や光風館の建設、祭場の耐震補強工事、会堂アスベスト工事など、教団施設の整備拡充の上にも、ご都合お繰り合わせを頂いてまいりました。
 これまで、代替わりにおける教主選挙では、教主金光様がお隠れになられ、当選人になられた方が、そのみ跡を受けられることをもって成就してまいりましたが、このたびのご意向は、ご自身の御身のこと、お道の将来を思われての深いご決断であり、さらには、教祖生神金光大神取次の業を伝承し、教統を保全くださるために、手渡される側も受け継がれる側も覚悟を伴う、尊い授受のみ姿であると拝させていただきます。
 教主代替わりを迎えようとしている今日、教主金光様をはじめとするお道の先輩方のみ思いと歩まれた足跡を確かな道しるべとさせていただき、お礼の心を土台に神様との縦軸を育む信心生活を進め、わずかばかりでもご安心いただけるような、私どもでありたいと存じます。

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