教育で貧困の連鎖を止める【金光新聞】
金光教平和活動センター専務理事 杉本 健志(岡山県足守教会)
金光教平和活動センター(KPAC)は、1988年、東南アジアでの支援活動の糸口を求める中で、フィリピン・マニラ市にあるアジア最大のスラム、スモーキーマウンテンにたどり着きました。
私たちは、どんな支援が必要か、住民たちと話し合う中で、子どもたち、特に幼児教育の重要性を痛感し、SRDコンコウキョウセンターを設立しました。
この地区の住民の多くは、定職に就けない人々でした。仕方なくマニラ中のごみが集まるスモーキーマウンテンの麓にバラックを建て、リサイクル可能なごみを拾い、生計を立てていました。そして、就学期の子どもには、ごみ拾いを手伝わせるのが当たり前でした。なぜなら、少しでもまともな食事をするためです。
その子らが成長し結婚して、また子どもたちに同じことをさせることで、貧困が連鎖します。その連鎖から抜け出すために、子どもたちへの教育が必要なのです。
SRDコンコウキョウセンターでは、30年間で私立の名門デ・ラ・サール大学の授業料免除の奨学生を27人輩出しました。しかし、それはゴールではありません。一人でも多く、フィリピン、さらには世界が直面している問題に向き合おうとする人材が生まれてくることを願い、これからも活動を続けていきます。
「金光新聞」2020年11月22日号掲載
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