メインコンテンツにスキップ

本年を振り返って

金光教報 「天地」12月号 巻頭言

 平成最後の12月を迎えた。
 この1年、全教にあっては、教主金光様のご祈念、御取次のもと、「神人の道」のおぼしめしを頂いて、一人ひとりの信心生活はもとより、教会、教団の各面において、さまざまな取り組みがなされ、今日までおかげを頂いてきている。
 本年10月31日、満84歳を迎えられた金光様には日々、教主として本教を統理され、ご体調に応じて、月の半分ほどは本部広前の夕ご祈念を仕えられ、お退けをお勤めくだされている。誠にもったいなく、ありがたいことである。このうえとも、御身ご大切に御用をお勤めくださるよう、共々に祈らせていただきたい。
 さて本年は、「平成30年7月豪雨」をはじめ、台風や地震による災害が頻発し、世界各地でも多くの方が被災された。さらに、東日本大震災や熊本地震等により、今なお困難な生活を余儀なくされている方がおられる。心からお見舞いを申し上げるとともに、御霊の道立てと、速やかに安心、安全な生活ができていくように祈らせていただきたい。7月豪雨等の災害では、「災害救援・社会活動資金」に設けた窓口に全教から募金が寄せられ、被災された教会、信奉者宅をはじめ、関係自治体にお見舞いをさせていただいた。また、教内ボランティア団体等により支援活動が進められ、本部では、ボランティア宿泊施設等を提供し、教外の方々にも利用されている。
 本年度の主な教団活動として、昨年の「全国教会連合会長協議会」を受け、1月下旬から6月下旬まで、教務理事が各教区に出向し、「教区教会連合会長懇談会」を開催させていただいた。
 私が出向した懇談会では、大分県日田教会の初代・堀尾保治師が詠まれた「打ちよりて問いつ語りつみがきあう連合会の末たのもしき」というお歌が紹介され、感動した。明治末期から大正にかけて、全国各地に教会連合会ができていった頃の、お道開きに身命を捧げられた先人が連合会発足に込められた、求道と布教の精神、信心の興隆に向けた連帯の心をあらためて頂き直さねば、と思わされた。
 また、「教会の問題をみんなで話し合い、祈らせていただくという取り組みが始まり、おかげを頂いた」との話を聞き、お道を思う信心、お道につながる教会のご比礼を願う信心を共有し、祈り合うことの大切さをあらためて思わされた。
 現在78ある教会連合会は、構成する教会数や地域の大きさなどにより、その実態にはさまざまな違いがある。とはいえ、人口減少に伴う大きな社会変動や、信奉者の高齢化・減少といった現状がある中で、教会連合会の働き(互助連絡、地域布教)はいっそう大切になってくること。教会が孤立しないよう、平素から祈り合い、助け合う心を共有すること。社会の急激な変化にも動じない信心の土台作りとともに、結界取次による助かりの実現に向けて、教師会における相互研鑽の充実を図ること等が、各連合会に共通する課題としてあるように思われる。
 来る9日の布教功労者報徳祭では、神と人とあいよかけよで助かり、立ち行く道を各地で開き、今日に伝えてくださった先人のご遺徳をしのび、心からお礼を申し上げさせていただきたい。
 そして来年、立教160年のお年柄をお迎えするに当たり、「世界の平和と人類の助かり」の実現に向けて、あらためて、ご立教に込められた神様の願いと教祖様のご信心を頂き、ご神願成就のお役に立たせていただきたいと願うものである。

 

(三浦 義雄・総務部長)

投稿日: / 更新日:

タグ: 文字, 金光教報『天地』, 巻頭言,