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〝信心が伝わる〟子育て【金光新聞】

子どもたちからの嬉しい言葉

 昨年の夏のことです。私の子どもたち4人が、実家である教会に帰省しました。
 久しぶりにそろったきょうだいの会話を聞くとはなしに聞いていると、金光教の祭典時に行われる教話について話題が及び、その時、次男(27)がきょうだいたちに、「俺は父さんの話は聴くよ」と言ったのが、私の耳に留まりました。 
 また、今年のお正月に再びきょうだいたちがそろった時、教会で暮らしている三男(21)が、普段は参拝しない祭典に姿を見せました。他のきょうだいたちから、「珍しいなあ」と冷やかされると、三男は「父さんの話を聴きに来たんよ」と応えていました。
 私が、それはどういう意味なのかと尋ねたところ、三男は「父さんの話(教話)は上手ではないけれど、神様を実感できる。父さんは、話の通りに俺たちを育ててきたから、よく分かるよ。きょうだいみんなも、そう言うとる」と、話してくれたのです。

 私たち夫婦は、長男を授かった時から、親と子が共に育ちながら〝信心が伝わる〟ことを、子育ての一番の目的に据えてきました。そして、子どもたちには幼いころから、「どんな物事にも神様のお考えがあるからな」と言い続けました。
 たとえ、すぐに理解はできなくとも、「どんなことが起きてきても、神様の親心からの出来事だから、まず神様にお礼を言ってお任せし、お繰り合わせをお願いすることが大切だ。そうすることで神様のお考えを頂けるようになり、その信心で幸せになれるんだよ」と、信心の原点となるところを伝えてきました。私たち夫婦は、それを家庭でのお取次のつもりで続けてきたのです。それだけに、次男と三男の言葉は、私にとって最高のプレゼントでした。 

 さらに先日のこと。教会の若先生である長男(33)が、こんなことを話してくれました。
 「俺は、父さんとは違う信心を目指してきた。誰もが理解しやすい信心をしようと思ってきたが、自分と同年代の教師仲間と意見を交わす中で、思わず『ご神意(神様のみ心)を頂こう』と発言して共感されたことがあった。父さんに抵抗していたつもりが、父さんから教えられてきたことを無意識に話している自分に驚いた」

信心が人生の確かな土台となるように

 金光教の教祖様は、神様に向かってお礼やお願いをするだけでなく、起きてくる全ての物事を神様からの「お差し向け」と受けていかれ、そこに託されたご神意を悟り、気付き改まりながら信心を進めていかれました。
 私は、教祖様のそうしたご信心を自分の目標にしてきました。その意識と感性が、子どもたちの心の中で芽吹き、育っていき、それぞれの成長過程で、心の支えになっていたようです。
 だからといって、4人の子どもたちが、人のお手本になるような信心をしているとは思っていません。しかし、「どんな物事にも神様のみ心が込められている」という思いを家族の中で大切にしてきています。

 私は全ての物事を、まず、神様の親心故の「お差し向け」「神様と自分との約束事」として尊び、そこに込められたご神意を頂くことでおかげを受け、心から和らぎと喜びが湧き出てくるような信心を目指したいと思っています。
 その信心が子どもや孫たち、周囲の人たちにも伝わり、人生の確かな土台となるように願わせて頂いています。 

※このお話は実話をもとに執筆されたものですが、登場人物は仮名を原則としています

(金光新聞「心に届く信心真話」2014年10月26日号掲載)

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