困難乗り越える心と力を 【金光新聞】
金光教東日本大震災一年祭 気仙沼
金光教東日本大震災慰霊復興祈願祭実行委員会は3月17日、気仙沼プラザホテル(宮城県気仙沼市)で午後12時30分から、金光教東日本大震災一年祭を仕えた。
この祭典は、昨年3月11日に発生した東日本大震災から1年を経て、犠牲者の道立てと被災地の復興、さらには福島第一原子力発電所事故の速やかなる収束を願って行われたもので、被災地域や東北教区をはじめ、全国各地から520人が参拝した。
開会に当たり、寺本憲昭実行委員長があいさつに立ち、「『神は、人間を救い助けてやろうと思っておられ…、人の身の上に決して無駄事はなされない。みな末のおかげになる』との力強いみ教えを頂く。ここまでのことをお礼申し上げるとともに、ここからのいっそうの復興を願ってまいりたい」と述べた。
第1部では、「震災一年を迎えて ─ その時、そして今」と題して、斉藤徹さん(宮城県気仙沼教会)、濱松修作さん(同県仙台教会)、高橋環さん(福島県保原教会)の3人が、それぞれ発表を行った。
第2部では、「今、天地の開ける音を聞いて目を覚ませ」の合唱の後、震災の犠牲者の氏名を記した霊神簿が安置された神前に、祭員が参向して祭典が仕えられた。
祭主の奥原志郎先生(気仙沼教会長)は祭詞奏上で、不慮の死を遂げられたみたま様の道立てと行方不明者の早期発見、福島第一原発事故の速やかな収束と被災地の復興とともに、「被災者が生かされて生きることを喜び、犠牲者の無念の心に寄り添いながら、確かな道に向かい、新たな歩みを進めるよう、お導きください」と祈願した。その上で、「『わが力で何事もやり』という助かり難い風潮を克服し、不自然を自然に直す復興とさせてください。私たちにこの困難な現実を乗り越える心と力を与えてください(口語要約)」と奏上し、玉串を神前に進めた。
引き続き、参拝者代表が順次玉串を奉奠し、最後に「東北(みちのく)復興祈願詞」を全員で奉唱した。
第3部では、和太鼓(金光藤蔭高校)、吹奏楽(金光大阪高校、金光藤蔭高校、金光八尾高校の合同編成、賛助出演・和田千重さん〈オペラ歌手/東京都成城教会〉)の演奏がそれぞれ行われた。
閉会行事では、金光教本部教庁の安武秀信教務理事が、「震災はつらく悲しい出来事だったが、われわれは多くのことを学んだ。それは、私たちが限りない恵みとともに、大変厳しい天地の摂理の中に生かされているという事実であり、天地の恵みに感謝し、天地の摂理に従って生きていくという基本を忘れてはならない。そのことを忘れずに、今後の生き方を進めることが、みたま様方への一番のご供養であり、子孫に対して責任ある生き方となるのではなかろうか」とあいさつ。その後、参拝者全員で「神人の栄光」を斉唱した。