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心の後方確認を大切に【金光新聞】

不合格おめでとう

 今年の3月、私(45)は友人から、「子どもが高校入試で不合格だった。どんな気持ちで受け止めたらいいのか分からない」と、電話で相談を受けました。
 私は信心をしてきて、どんなささいなことでも、起きてきた成り行きは神様がお働きくださる中でのことで、思い通りにならないことも、神様のお働きを信じて受けていくと、思いもかけないようなおかげが頂けると実感してきました。その経験から「合格も不合格も、どちらも神様が用意された最善の道だから、お礼の心で受け止めたらいいと思うよ」とアドバイスしました。
 その直後、今度は次女(20)から電話がありました。次女は当時、車の運転免許を取るため、友人と合宿教習所に入校していました。楽しく過ごしていると聞いていたのですが、電話口で泣いています。仮免許の試験に落ちてしまい、合格した友人が先に帰ることになったのだそうです。

 私はその話を聞いて、さっきの友人との電話は、次女に対しても「不合格も神様の最善のお働きだよ」と言えるよう、神様が私に教えてくださったんだと思え、「そういうことなのね!」と、わくわくしてきました。
 私は「以前、お姉ちゃん(長女)が大学受験で不合格になった時、不平不足でなく、お礼の心で受け止めていったことで、結果的に自分に合った進路に進むことができたでしょう。あなたの不
合格も、必ず神様にお礼を言いたくなるようなことになるよ。不合格おめでとう」と言いました。
 しかし、「そんなのありがたくない! 神様はさっさと合格にしてくれればいいのに!」と、次女の気持ちは治まりません。私は、彼女の心が神様に向くようにと願いながら、気持ちが落ち着くまで話を聞きました。

不合格は神様が用意してくださった

 その日の夜、再び次女からこんな電話がありました。「教官から、巻き込み確認と後方確認が全くできていなかったって不合格の理由を聞いた時、心の後方確認、心の振り返りができていなかったんだと気付いたんだ。合宿も初めは楽しかったけど、だんだん食事や環境への不満ばかり出てきて、自動車学校に通えていることへも含めて、感謝を忘れてた。お母さんが言う通り、不合格は神様が用意してくださったんだね。心が改まったら、頑張る気持ちが湧いてきた!」
 私は、大切なことに気付かせて頂き、娘の心を成長させてくださった神様に、お礼を申し上げました。その次の試験は、無事に合格できました。
 3カ月後、次女から電話があり、「友達が仮免許試験に不合格で落ち込んでてね。私が、不合格を神様のお働きとして受けたら心の振り返りができて、心が成長できたんだって伝えたら、『僕も神様からの試練として受け止めてみるよ。ありがとう!』って、元気になったんだよ。人の役に立てて、すごくありがたいよ。お母さんが言ってた『お礼を言いたくなるようなことになる』って、ほんとだったんだね」と話してくれました。

 心の後方確認は、車の運転と同じで、人生を歩む上で欠かせないものだと思います。神様は「不合格」を通して、娘にとって最も必要なことに気付かせてくださいました。不都合なことでもお礼の心で受けていけば、必ずおかげが受けられます。
 次女には、これからも心の後方確認を忘れず、幸せな未来に向かって歩んでいってほしいと願っています。
※このお話は実話をもとに執筆されたものですが、登場人物は仮名を原則としています

「心に届く信心真話」2020年11月15日号掲載

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タグ: 文字, 信心真話, 金光新聞,