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神様に付き添われ手術【金光新聞】

思いがけない診断

 今から22年前、私が2人目の子どもを授かった時のことです。
 その時の私は、1人目の子どもがまだ幼く家事や育児が忙しかったことと、2度目の妊娠ということへの安心感もあって、診察を受けるのは後回しにしようと思っていました。
 とはいえ、教会にだけはお届けしようと思い、お取次を願いました。すると予想に反して、先生から、「神様から頂いた大切な命なんだから、早く受診してきなさい」と言われたのです。私は、「もう少し後でも大丈夫なのに…」と思いながらも、すぐに病院に行くことにしました。

 病院で診察を受けたところ、主治医が「妊娠4カ月に入っていますね。でも、ちょっと気になる所があるので、エコー検査を受けてください」と言うのです。私は思いがけない言葉に驚きながら、不安な気持ちで検査を受けると、治医から「恐らく卵巣嚢腫(のうしゅ)でしょう。握りこぶしぐらいの大きさです。このままだと赤ちゃんが大きくなると患部に触って痛みが出て、とても赤ちゃんが生まれるまで耐えられなくなります。ですから、安定期になる5カ月目に入ったら手術をして嚢腫を取りましょう」と言われました。
 私が「おなかの赤ちゃんは大丈夫なんですか?」と尋ねると、主治医は「今処置をしておかないと、嚢腫が破裂することもあります。手術の際は部分麻酔で、赤ちゃんに影響が出ない最小限の量しか使いませんから大丈夫です」と、力強く言ってくださいました。その言葉を聞いて少しほっとしながら、妊娠5カ月を迎えて手術をして頂くことにしました。

神様はいつも寄り添ってくださっている

 しかし、手術の日が近づくにつれ「赤ちゃんに何かあったらどうしよう」と、不安になります。そのたびに、教会にお参りして、お取次を頂きました。先生は「大丈夫。手術の時は神様に付き添って頂けるよう、お願いさせて頂きます」と言ってくださいました。
 そして、手術の日を迎えました。手術は部分麻酔で行われたので、意識ははっきりしていて、手術を受けながらもその様子がよく分かります。また、麻酔のおかげで痛みはないものの、内臓を押し上げられる感触があり、その気持ち悪さで気が遠くなりそうでした。
 しかし手術の間、看護師さんが私の手をずっと握ってくださり、「大丈夫ですか、もう少しですから、頑張ってください」と声を掛け続けてくださいました。私は看護師さんの温かい手と声に励まされて、最後まで耐えることができ、手術を無事に終えることができました。
 教会の先生がお話しくださった通り、看護師さんの温かい励ましに神様が付き添ってくださったのだと感じました。

 その後は、順調に回復するとともにおなかの赤ちゃんも元気に成長してくれ、手術から約5カ月後、無事に出産することができました。
 この時生まれた子どもは、その後も元気に成長し、今春、社会人になりました。
 あの時、教会の先生のお言葉を素直に受けていなかったらどうなっていたのかと思うと、涙が出るほどありがたい思いになります。
 以来私は、神様がいつも私たちに寄り添い支え続けてくださっているのだと実感しながら、親子共にここまで命を頂いてきたことに感謝しています。

(「心に届く信心真話」2017年6月18日号掲載)

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タグ: 文字, 信心真話, 金光新聞,